IT事例に役立つコラム(仮)

2014.04.09

競合製品についても情報収集を

取材先の企業情報や、導入製品の機能・特長など、取材前にできるだけ多くの情報を集めておくことは大切であり、Webサイト上に公開されている様々な情報に目を通しておけば安心でしょう。しかし、取材先からリアリティーのある「選定理由」を引き出すには、それだけでは不十分です。

入念な準備は、好印象にもつながる

取材に際しては、限られた時間内に様々な情報を聞き出さなくてはなりません。逆を言えば、重要な話を聞き出す時間を確保するためにも、Webサイトなどに公開されている基本的な項目については、可能なかぎり収集・整理しておくことが大切です。

そうした準備をした上で取材に臨めば、取材先のビジネスの概要や、市場動向などについては簡単に確認するだけで済むため、本題ともいえる「製品の選定理由」や「導入効果」「導入後の評価」などに質問を集中でき、取材時間をより有効に使えることでしょう。

また、入念な取材準備を行っておけば、聞き間違いなどの単純なミスを減らせますし、「事前にきちんと調べている」ということで、こちら側が事例作成をいかに重視しているかが伝わり、取材先から好印象を得ることにもつながるでしょう。

取材先WebサイトのIRは、情報の宝庫

取材先の会社概要については、先方のWebサイトで基本的な情報はほとんど集まるはずです。最近はIR(Investor Relation:投資家向け情報)をWebサイト上に公開している企業が多いので、経営方針や業績などについても簡単に調べられるでしょう。また、中期経営計画が掲載されている場合もありますから、目を通しておけば、経営上の課題や今後の経営計画についても把握できます。

また、取材先が属する業界についての情報は、投資家向けのWebサイトなどで調べることができますし、業界トップの何社かのWebサイトを見て回れば業界のおよその動向はつかめます。

導入製品まわりの専門用語を押さえておく

自社製品の情報についても調べておきましょう。
導入製品の機能・特長に対する理解が不足していると、トンチンカンな質問になりかねません。バージョンごとに機能が異なることも多いので、取材先に導入されているバージョンと、最新バージョンの機能の違いについても把握しておきたいものです。

導入製品の技術領域で使われる専門用語については、自社で使っている用語と、一般に使われている用語に違いがないか確認しておくことも大切です。例えば、自社で「SQL」のことを「シークェル」と呼んでいるのに、先方では一般的な「エスキューエル」を使っているかもしれません。その逆で、先方が社内用語を一般用語だと勘違いして使っている場合もあるでしょう。

もちろん、取材時に意味のはっきりしない単語が出てきた際にはその場で確認すべきですが、あまりにも頻繁に聞き返してはスムーズな取材になりませんし、初歩的な説明が始まってしまうと肝心な内容を聞き出す時間が足りなくなってしまうこともあるので、注意が必要です。

競合他社の情報も調べておく

忘れてはならないのが競合製品の情報です。自社の営業担当者に競合製品を確認して、自社製品と比較した際の強み・弱みを把握しておけば、製品選定の際に何がポイントになったのか、より突っ込んだ質問が可能になるはずです。

いずれにせよ、取材前のなるべく早い段階で、取材先を担当している営業担当者にスケジュール調整をお願いして、ブリーフィング(事前取材)を実施してもらいましょう。取材先の企業情報や競合製品の情報だけでなく、取材出席者の性格や、取材先での録音環境などを知っておけば、取材本番で慌てずに済むのですから。