IT事例に役立つコラム(仮)

2014.11.19

「導入事例」をどう活用する?

導入事例は、自社のWebサイトやIT製品の比較サイトに掲載して、製品の魅力をアピールしたり営業活動のきっかけにすることが多いでしょう。

あるいは、印刷してセミナー会場などで配布したり、営業担当者が製品カタログと合わせて利用することもあります。

このように導入事例は販促ツールとして使うのが一般的ですが、それだけで終わらせてしまうのはもったいない話です。

 

登場企業のIT部門と関係を深める

最近のIT部門は、コストを発生させるコストセンターから、利益を生み出すプロフィットセンターへ役割がシフトしています。コストの削減や売上の拡大に直接つながるようなシステムを企画・立案し、構築・運用することが求められているのです。

その観点からすると、導入事例は取材を受けたIT部門にとっても、自部門を社内外にアピールするためのツールとなります。お互いにメリットがあることですから、さらにリレーションを深めるためのきっかけにすべきです。

例としては、自社セミナー(事例発表会)での講演依頼などがあげられます。講演内容の取りまとめやプレゼン資料の準備など、相手方に大きな負担が発生してしまいますが、自部門の活躍をアピールする機会としてOKしてもらえる場合が少なくありません。

こうして絆を深めていけば、次のシステム更改時にも引き続き採用してもらえる可能性が高まりますし、他システムの構築時にも声がかかるかもしれません。 導入事例は、顧客とのより深い関係を築くための手段となりうるのです。

 

ユーザ見学会は、ユーザによる営業支援

あるいは、ユーザ見学の場を提供してもらうのもいいでしょう。導入事例を読んだ見込顧客が、より詳しい内容を知りたいと感じたときに、実際に製品が使われている現場を見学してもらうのです。見込顧客としては、ベンダの営業担当者の話よりも、ユーザの生の声に信憑性を感じるのは当然ですし、説得力も増すはずです。まさに「論より証拠」です。

いわば、ユーザに営業活動に協力してもらうことになるわけですが、導入事例に登場してくれたユーザなら、基本的に好意的に製品の使い勝手を紹介をしてくれるはずです。

 

次の事例制作の呼び水として

また、導入事例は、次の事例制作の呼び水として活用することができます。 1本目が完成し、2本目の事例制作がスタートする際には「1本目とは異なる業種を取り上げたい」とか「今度はもっと大きな企業に登場してもらいたい」と考えるかもしれません。しかし、取材を受ける側からすれば、似たような前例があったほうが取材には協力しやすいはずです。「同じような導入事例を何本もつくっても」と考えるかもしれませんが、切り口さえ変えて取材すれば、異なる導入効果をアピールできるものです。

そうやって事例の本数を増やし、実績を重ねていけば、より規模の大きな企業や有名企業にも登場してもらえる可能性も高まります。そんな「正のスパイラル」を作り出していくためのツールとしても、制作済みの導入事例を活用していきましょう。