IT事例に役立つコラム(仮)

2011.03.24

4の巻「取材で失敗しないためのイロハ」

取材は、企業を代表して話をすることにもなるため、慎重になるあまり、会話が続かないケースもあります。逆に話が盛り上がりすぎて思わず脱線してしまうことも。また、取材をお願いする際、必ずといっていいほど聞かれるのが「何を話せばいいの?」ではないでしょうか。そこで、今回は取材を円滑にするためのヒントを紹介します。

下準備をしておこう

ぶっつけ本番で取材をした場合、重要な話を忘れてしまったり、脈絡のない構成になってしまいがちです。そこで、大切なのが下準備です。

(1)メモを活用
事前に送られた質問に合わせて、メモをしておくと漏れがなくなります。箇条書きで構いませんので、話すポイントをまとめておくといいでしょう。

(2)役割を分担
担当者が複数いる場合は、質問に応じて話す役割をあらかじめ決めておくのも有効です。自分のパートをしっかりと話し、それ以外は会話に補足する形で参加することで、導入事例の中でコメントが利用されやすくなります。
(例:上長には概略を説明してもらい、担当者が具体的な内容を説明)

(3)時間を配分
導入事例は、主に企業情報、導入前の課題、導入の経緯、導入効果、今後の展望の5つが大きなポイントになります。例えば、1時間の取材であれば、企業情報はプロフィールやリードに加える情報なので5分から10分程度に、導入前の課題、導入の経緯は合わせて20分から30分程度、導入効果はしっかり抑えたいので20分程度、今後の展望は10分程度というように時間を配分しておくと大幅に取材時間が延びることはありません。

取材をお願いする場合は、「約1時間の取材となります」など目安の時間を伝え、事前に質問項目をお送りしておくようにしましょう。

ポイントをまとめよう

導入事例は、主に企業情報、導入前の課題、導入の経緯、導入効果、今後の展望が中心となります。そのためのポイントを整理しておきましょう。

◆企業情報 会社案内を準備してスムーズに
会社案内を準備しておくと、会社の概要、得意分野などを話す際に便利です。また、社屋や外観などの写真を依頼される場合もありますのでその資料にもなります。

◆導入前の課題 システム概要と課題をチェック
システム概要や課題を事前にまとめておきます。システムは、全体像が掴めるようにサーバやソフトなどを数字で表せるのがベストです。また、課題は特に困っていた点を1〜2点具体的に話せるようにしておくとよいでしょう。

◆導入の経緯 課題解決の要件と選定の決め手をプッシュ
課題を解決するために、特に重要になった要件を説明しましょう。さらに、競合に比べ、導入した製品/サービスが選ばれたポイント・優位点を語りましょう。

◆導入効果 導入時期と導入効果は数字を上げて説明
導入時期から、どのような効果があったのかを具体的な数字をあげて説明します。これにより、改善効果をアピールすることができます。また、現場の声(感想)や使い方、こぼれ話として導入までの苦労話などをお話するとリアリティが上がります。

◆今後の展望 将来に向けたストーリーを紹介
今後の使い方や部門、拠点への展開など、将来に向けた抱負を話しましょう。今後の機能強化などメーカーに対する要望をお話いただく時間に充てるのも有効です。

取材をお願いする場合は、お送りする質問の中に「特にお困りになっていた点をお教え下さい? 例:管理者が異動し、運用が大変だった」のように、より細かくお話いただきたいことを書き添え、例文をつけておくとイメージがよりわかりやすくなります。

内容は原稿チェックで修正

「話してしまったことが活字になってしまう」と不安を覚える方もいますが、導入事例は掲載前にチェックすることができます。必要以上のことを話すことはありませんが、内容は確認できます。情報をあらかじめ公開してほしくない場合は、取材中に「ここはオフレコでお願いします」と一言伝えておくと原稿をまとめる際にその部分を外してくれます。

このように、準備をして、ポイントをしっかり話すことができれば、お客様企業はITへの取り組みをアピールすることができます。また、製品・サービスを提供する企業は、お客様の言葉でセールスポイントを語ってもらうことができます。限られた時間の中で取材をスムーズに行うために、上記のポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。